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★PlayView構成・編集・デザイン・映像制作・ユーザインターフェース設計
・発売元:バンダイナムコゲームス
・発売 :2014年5月15日
■PlayView収録コンテンツ
1 氷川竜介のアニメガイド
アニメ評論家氷川氏による劇場版2部作の解説集。
2 劇場版マクロスF ビジュアルメイキング
シナリオから絵コンテ、タイムシートと映像を合わせたメイキングガイド。
3 キャラクター&メカ設定集
キャラクターの線画や設定、ライブシーンなどを映像と合わせて収録
4 美術/美術設定集
作中の背景やメカニックなど、貴重な設定美術集を掲載
5 版権イラスト集
ファミリーマートとのコラボ広告など、各媒体で使用された版権イラストを収録
1年前の『ねらわれた学園』に続いて、2作目のPlayViewコンテツの制作です。
前回の『ねらわれた学園』の場合、映像パッケージに同梱されるコンテンツやアニメMOOKSとの差別化は絵を見てもらうという点に集約できてそれほど難しくなかったのですが、この商品の場合、同梱される特典に印刷物の設定資料や版権イラスト集があるため、どう差別化をつけるかがポイントでした。
また前回時間がなくて検証できなかったPlayViewの階層も事前にソニーとのオリエンテーションで解決できたため、より多様性のある構成が可能になりました。ただ、それをどう見せるかは別問題で、実際なかり構成や見せ方の工夫に時間がかかりました。(プログラムを担当していただいた会社にかなり迷惑をかけてしまいました)
また『ねらわれた学園』に比べて、キャラクター設定の中でも解像度や大きさがバラバラだったり、同ポジがとれなかったりと、素材の状態は非常に悪かったという点もありました。結局、『ねらわれた学園』のように、資料を高解像度で見せるという点はあきらめ、ページ送り(ブラウズ)した際の変化を楽しむというシンプルな部分に注目し、それをキャラやメカで徹底しました。
あと、以前PSP特典として制作した「中島愛のスタジオレポート」や、氷川竜介さんと河森さんの対談(途中でVF-25の元になったレゴブロックの解説が入る)に未公開部分の映像を60分ぶん加えて新たに編集しなおし、原稿の内容に応じた細かい映像番組を作りました。映像番組として観た場合、20分〜30分での番組構成が必要ですが、5分、10分単位の番組の場合、テーマ・内容を伝えることが重視されるため、構成は非常にシンプルですみます。最近のハリウッド映画のメイキング番組も、こうした5分、10分程度の番組がたくさん入ったものがトレンドになっています。
また設定資料もすべて見せるのではなく、「歌・ステージ」をメインにまとめ、曲名でまとめた「ライブインデックス」、メカでまとめた「メカインデックス」を作り、特に「ライブインデックス」ではチャプター区切りに曲のシーン映像を1分ほど再生できるようにしました。
しかし全部の素材を提出した後で、PlayViewファイル限界の5GBを超えていたことがわかり、泣く泣くライブ映像の一部を削ったりしました。デジタルコンテンツの場合、こうした容量制限は必ずどこかであります。
以下は、『ねらわれた学園 完全資料集』のPlayViewについてのレビュー記事です。
★PlayView構成・編集・デザイン・映像制作・ユーザインターフェース設計
・発売元:バンダイナムコゲームス
・1700ページ強
・発売 :2013年6月6日
<収録内容>
・映画本編(107分)
・オーディオコメンタリー
・ソングオンリーOP
・ノンクレジットED
●総ページ数1,700枚以上、PlayView「完全版資料集」を収録
PS3だからこそ実現できる、テキスト・画像・映像・サウンドがシームレスにリンクした「新時代のアニメ資料集」
<収録内容>
1 キャラクター設定資料集
2 美術/美術設定集
3 絵コンテ+総作画監督修正原画
4 版権イラスト/宣伝制作集
5「ねらわれた学園」氷川竜介のアニメガイド
6 ショート版劇場用プログラム
7 プレスシート
↓ルートメニュー画面です(クリックして拡大)。
PlayView(プレイビュー)は、ソニーのコンシューマーゲーム機「プレイステーション3」で見られる電子書籍フォーマットです。もともとはプレステ3の高速なグラフィックエンジンを生かして、広大な画像の拡大・縮小ができるフォーマットして開発されたものですが、ページブラウズ機能をつけて電子書籍的な仕様になっています。
PlayViewでは、ページの拡大、ページに埋め込まれた画像の拡大(書き出し時の解像度に依存)、映像の再生(フルスクリーンまたは埋め込みフレームのまま再生)、音声の再生などができます。
2013年1月当時、PlayViewのコンテンツはほぼ100%ゲーム攻略本の電子書籍が占めていました。バンダイナムコゲームスの「Hybrid Disc」は基本的に映画本編+ゲームという仕様なのですが、リリースまで時間がなかったため急遽PlayViewが注目され、「完全資料集」の制作となりました。
アニメなど映画などの作品は、作品ごとにキーとなるスタッフ(作業)があり、それが作品を特徴づける大きな要因になっています。この作品の場合、まず監督の緻密な絵コンテ、そして総作画監督&キャラクターデザイナーの細居美恵子さんの仕事、そして美術(&イメージ美術)といえます。
似たような「デジタル総資料集」的なものは、以前Blu-ray『サマーウォーズ』でもやったのですが、HD解像度は横に広く縦に狭いため、絵コンテを読ませるには上下に分割して見せる必要がありました。またBlu-rayは基本は映像のフォーマットなので、静止画のページブラウズ機能は最低限の仕様しかありません。Blu-ray『サマーウォーズ』では、アニメ評論家の氷川竜介さんに原稿を書いてもらい、参照映像を動画でループ再生して見せる「アニメガイド」がありましたが、実はテキストを含むHD画面全体をまるごと映像で作っていました。つまりページブラウズしているように見せて、映像と映像を切り替えていたわけです。
ところがPlayViewの制作では、全体のレイアウトや組版は標準的なDTPレイアウトソフト「Indesign」を使用し、プログラム側でindesignにスクリプトを付けて書き出し、さらにPlayViewのオーサリングツールで映像や拡大の倍率などを設定するというものでした。つまり納品する側としては、普通の本を作るのとほぼ変わらない作業なわけです。絵コンテは文字がみえる拡大率でindesignに貼り付けておいて、プログラム側に拡大率を指定して、自動的に上下に読み送る機能をつけてもらえば、分割してレイアウトする必要はありません。
本と似ているとは言っても、そこはやはりテレビで見るものなので、テキスト原稿については画面を拡大しなくても読める大きさにするとか、映像が再生できるかどうか、画像が拡大できるかどうか一目でわかるよう工夫をしたりとか、そのあたりを探りながらの作業でした。
幸い『ねらわれた学園』は各素材の解像度が高く、PlayViewで拡大・縮小して見せるという点で非常に適していました。
以下は、『ねらわれた学園 完全資料集』のPlayViewについてのレビュー記事です。